サッカー隊員の阿部貴弘です。
本のご紹介です。
スポーツ関係者、特にサッカー、教育に関わる
全ての方々に、是非是非お読みいただきたい著書。
既に、拝読していましたが、アウトプットする為に、
改めて、もう一度読み直しました。
この本は、昨年、一時帰国中にSports for smileという
団体の主催する「サッカーで世界を変える」というイベント
に参加した際に会場で購入しました。
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Clik here to view.

~スポーツを通じた社会開発の現場から~
著者 岡田千あき
昨年の6月に出版されました。
著者の岡田さんは、Sports for smileの顧問でもあるようです。
興味をひかれ手に取りました。
帯には、大きく
いま、スポーツに
できること
ゆるやかな人間関係をつくる
社会の変化に対応する
社会課題の解決に取り組む
国の未来をイメージする
と記されています。
1.いま話題のスポーツの力
2.世界が期待するスポーツの貢献
3.サッカーによる貢献
第2章 ゆるやかな人間関係をつくる
1.ホームレスワールドカップ・パリ大会2011
2.ホームレスのみが参加できる世界大会
3.日本代表“野武士ジャパン”
4.新しい人間関係をつくる
第3章 社会の変化に対応する
1.「東洋のパリ」の現在
2.企業スポーツの芽生え
3.SHTFLの活動からみえてくるもの
4.個人の幸せ、コミュニティの幸せ
5.社会の変化とスポーツの形
第4章 社会課題の解決に取り組む
1.HIV/エイズとの戦い
2.絶望から抜け出すために
3.ポジティブ・レディース・フットボール・クラブ
4.スポーツを用いたHIV/エイズ関連活動
5.サッカー×HIV/エイズ活動の有効性
第5章 国の未来をイメージする
1.Jリーグのアジア戦略
2.若い力にあふれる国、マレーシア
3.スポーツで若者の力を活かす
4..国の未来をつくる
第6章 スポーツを通じた開発の時代へ
1.日本ができる貢献
2.インフラ整備のジレンマ
3.サッカーボールひとつで社会を変える
著者は、大学卒業後、ジンバブエで青年海外協力隊で、
中高一貫の体育教員として活動。その後、
神戸大学大学院人間発達環境学研究科で博士号を取得。
国際協力大学論文コンテストにて、外務大臣奨励賞を受賞。
現在、大阪大学大学院人間科学研究科グローバル人間学専攻
の准教授として研究・教育に従事している。
どの章も、非常に興味をひかれる事例でしたが
特に第5章のJリーグのアジア戦略とマレーシアのスポーツ政策と
青少年育成についての章が印象に残りました。
この部分については、詳しくネットでも論文を閲覧することが出来ます。
東南アジアの開発途上国におけるスポーツを通じた青少年育成―マレーシアの青少年スポーツ活動の検証
↑ 抄録だけでも、まとめとなっているので、ご興味ある方は是非。
※神戸大学の山口泰雄先生の御名前も。
~DREAM 夢があるから強くなる~
と表紙にJFAマークと共に記されています。
指導者カードと共に大切に保管しています。
ラオスにも持参していて、時々読み返していました。
また、サッカー指導者、スポーツ指導者には、必見の
「サッカー医学マニュアル」JFA作成
FIFA医学評価研究センターがまとめたスポーツ障害や
その予防、トレーニング方法についても記されていて、取り寄せ
ようと思ったら、ネットで無料閲覧することが出来ました。
JFA2005年宣言の詳細
あまり知られていないので日本サッカー協会(JFA)の理念をご紹介します。
JFAの理念
サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、
人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献する。
以下、JFAのビジョン、JFAの約束2015、JFAの約束2050は
上記リンク先をご覧ください。
先日の首都で開催された日本ラオス60周年サッカークリニックの様子
※JICAラオス事務所のFacebookトップ画像に採用いただきました。
(FacebookのJICAラオスページにリンクしています)
今年は、青年海外協力隊が1965年ラオスに第一号として派遣されて
から50周年の記念すべき年でもあります。
サッカーやスポーツを通して出来ることがあるのではと、
現在、様々なイベントを関係者と共に企画中です。
先日、ガンバ大阪よりサッカーボールがラオスに届けられました。
こちらの経緯についての詳細については
拙ブログ
秘湯の村へサッカーボールを寄贈
ご参照ください。
ラオスに届けられたサッカーボール
サッカーボールひとつで社会を変える
著書のおわりにより抜粋
各国の開発課題も変化している。一部の開発途上国では、解決に向かって
いる課題も少なくないが、国内の貧富の差激しくなる一方で、国内での格差
もますます深刻なものになっている。
個人の幸福を追求していくと、各々の課題は複雑化、細分化し、効果的な開発
というのは難しくなるが、この状況において、サッカーにできることを全ての
サッカーの愛好者と考え始めれば、世界は変わると思うのは日和見的であろうか。
~中略~
一人でも多くの人が平和で安全な環境で心からサッカーを
楽しむことができる日が来ることを願って。
スポーツを研究・実践してきた一人として、非常に新たな知見を
いただき勇気をいただいた一冊でした。
今日も、ありがとうございました。